コラム

2023/11/21 コラム

ご相談お申込み時の確認事項について

 当事務所では、相談ご希望のご連絡をいただいた際、相談者様のみならず、相手方(トラブルの相手)の氏名もお伺いしております。
 ただ、時折、このご質問に対して、相談前の段階で自分や相手方の氏名などを伝えたくないと拒否される方もいらっしゃるため、本日は、本コラムにて、この確認の必要性につき、ご説明したいと思います。

 まず、この氏名確認のご質問は、「利益相反」の有無を確認するためにさせていただいております。この「利益相反」については弁護士の職務規定上ややこしく分類されているのですが、非常に簡単に言ってしまえば、私が、相談者様のトラブルの相手方と知り合いではないか、その関係者ではないか、の確認です。(わかりやすい例としては、ご相談を受けてみたら、相談者様のトラブルの相手方が、私の顧問先であった、というような場面を回避するためです。ちなみに、現在進行形で業務対応している方だけではなく、これまで法律相談やご依頼をいただいた方との関係でも、「利益相反」となる可能性があります。)

 このような関係がある場合、弁護士は、法律相談やご依頼をお受けすることができません(弁護士法25条参照)。これは、これまでの依頼者や相談者の方々の個人情報や秘密、利益を守るという意義だけではなく、弁護士が公正な職務を行うため、ひいては弁護士業務への信頼を確保するため、の規定です。

 ご相談お申込みの際に、利益相反の確認に応じていただけない場合には、残念ながらご相談をお断りさせていただくことになろうかと存じますので、悪しからずご承知おき下さい。(なお、ご相談のお申込み時に相手方や関係者の氏名が分からない場合には、その旨をお伝えください。弁護士から追加で事情を伺って、対応可能と判断できれば、ご相談をお受けすることができるかもしれません。)

 さらに、(ご存じの方も多いと思いますが、)弁護士には守秘義務が課せられておりますので、弁護士は職務上知り得たことを口外することができません。そのため、ご相談をお断りする際に、その理由を(「利益相反」を理由にしたものかどうかという点を含め)明確にご説明できない場面もございます。
 ご理解いただければ幸いです。

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